JR東日本
目次

JR東日本 旅の彩150選

ABOUT TABINO IRODORI

旅の彩150選コラム

TABINO IRODORI COLUMN TABINO IRODORI COLUMN

vol.05 
魅惑の駅弁容器コレクション

おいしさはもちろんですが、アイディアを凝らした容器もまた駅弁の魅力。見た目が楽しい、おいしさを保つなど、容器が気になる駅弁についてご紹介します。

鉄道好きの心をくすぐる、
電車モチーフ

新幹線ファンにはたまらない、流線型ボディを形どったお弁当箱。

aは東京〜金沢間を結ぶ北陸新幹線・かがやき、はくたか、つるぎでおなじみのE7系車両をモデルにした、その名も「新幹線E7系弁当」です。ふたを開けるとおにぎり、唐揚げやマカロニサラダなどの定番おかず、デザートのプチケーキが一列に収まっています。

bも同じく新幹線ですが、こちらは秋田新幹線・こまちで使われているE6系がモデルの「E6系秋田新幹線こまちランチ」。ご飯の上に肉そぼろ、エビフライなどが乗っています。

「こまちの車両を模した容器は『赤い色で縁起がいい』ということで、特に中国からのお客様に人気があるんです」と、一般社団法人日本鉄道構内営業中央会事務局長の松橋信広さんは話します。

車両の形ではなく、在来線特急のヘッドマークをデザインしたお弁当箱が目を引く「特急列車ヘッドマーク弁当」も、人気のシリーズ。平成29(2017)年7月に第1弾の特急「ひばり」が発売されて以来、令和4(2022)年3月の第15弾特急「はくつる」まで、不定期・期間限定で発売。毎回、その特急が走る地域の名産食材を用いた料理が詰まっているのもお楽しみです。これまでに、あさま、あずさ、ひたち、北斗星、とき、かいじ、つばさ、はつかり、わかしお、いなほ、ゆうづる、あいづ、みちのくが発売されました。懐かしいヘッドマークの魅力もさることながら、食べた後は通常のお弁当箱として使えるとあって、何ともコレクター心をくすぐる駅弁なのです。

新幹線E7系弁当の写真新幹線E7系弁当の写真

新幹線E7系弁当 1,350円(税込)
/東京都・日本ばし大増

E6系秋田新幹線こまちランチの写真E6系秋田新幹線こまちランチの写真

E6系秋田新幹線こまちランチ 
1,350円(税込)
/秋田県・㈱関根屋

昔ながらの容器、今どきの容器

昔ながらの容器もまた、駅弁らしい魅力にあふれています。

例えば、昭和33(1958)年に横川駅(群馬県)で生まれた「峠の釜めし」(写真c)。長旅で疲れたお客さんの「温かいお弁当を食べたい」という声に応えて採用された益子焼の土釜は保温性が高く、駅弁といえば折詰が定番だった当時としては、画期的な容器でした。食べ終わった後は持ち帰ってきれいに洗い、米1合分の炊飯に使うこともできます。ほんのりしょうゆが香る炊き込みご飯に鶏肉やごぼう、しいたけなどがたっぷりのせられ、ホッとする味わいも昔ながらです。

いわて沼宮内駅(岩手県)内の売店に毎週日曜日だけお目見えする「さなえばっちゃんのおこわ弁当」(写真d)の容器は、竹皮製のお弁当箱。岩手県産もち米を使ったおこわを主役に、筑前煮や焼き鮭など気取らないおかずがたっぷり詰まっています。

一方で、こうしたノスタルジックな容器に入ったお弁当と対極的なのが、子どもだけでなく大人にも人気の「キャラ弁」です。

「アニメ作品とのコラボでキャラクターの姿を形どったり、絵柄をプリントしたり、キャタクターのイメージカラーを容器に取り入れるなど、つくりはさまざまですが、作品の世界観をそのまま駅弁に反映させています」と松橋さん。

アンパンマンの顔をそのままデザインした「げんき100ばい!アンパンマン弁当」や、目玉おやじのお風呂がモチーフの茶碗にお弁当を詰めた「鬼太郎丼」、令和2(2020)年に「峠の釜めし」と『鬼滅の刃』がコラボした、特別バージョンの釜めしなど、食べ終わった後の容器まで含めて、たっぷり楽しめる駅弁です。

峠の釜めし峠の釜めし

ころんと丸い形が目印の「峠の釜めし」。
1,200円(税込)/群馬県・荻野屋

さなえばっちゃんのおこわ弁当さなえばっちゃんのおこわ弁当

滋味深い味わいの
「さなえばっちゃんのおこわ弁当」。
1,280円(税込)/岩手県・肉のふがね

やっぱり嬉しい、あったか駅弁

駅弁の容器について話すとき、はずすことができないのが加熱式容器です。

「『温かいお弁当をお客様に届けたい』という思いのもと工夫が重ねられ、現在のような加熱方式の駅弁が初めて発売されたのが、昭和62(1987)年、神戸でのこと。平成2(1990)年には仙台駅(宮城県)の「網焼き牛たん弁当」にも採用され、その後さらに広がっていきました」と松橋さん。

温まる理由は、生石灰と水の化学反応。両方を容器の底にセットしておき、ひもを引くことで水の袋を破ります。すると生石灰と水が反応し、熱が発生して容器の中が温まるという仕組みです。この容器のおかげで、温かい状態で食べることが前提の料理も、駅弁にできるようになりました。

前述の仙台駅「仙台名物牛たん弁当」(写真e)は、厚めにスライスして特製塩だれで味つけをした牛たんを、ヘルシーな麦飯にたっぷりのせた、今も変わらぬ人気の一品。温めることで、そのままでも十分おいしい牛たんを、さらにおいしく味わうことができます。

宇都宮駅(栃木県)の「きぶなカレー ブラックシーフード」(写真f)は、無病息災のシンボルとして伝わる郷土玩具、きぶな(黄鮒)をモチーフにしたカレー。加熱して口に運ぶと、スパイスと相まって体がいっそう温まります。栃木名物「岩下の新生姜」を刻んで混ぜたターメリックライスが、いかすみカレーによく合います。

仙台名物 牛たん弁当仙台名物 牛たん弁当

特製塩だれで熟成させた牛タンを使った
「仙台名物 牛たん弁当」。
1780円(税込)/宮城県・株式会社こばやし

きざみ岩下の新生姜 きぶなカレー ブラックシーフードきざみ岩下の新生姜 きぶなカレー ブラックシーフード

色鮮やかな
「きざみ岩下の新生姜 
きぶなカレー ブラックシーフード」。
900円(税込)/栃木県・松廼屋

トップページへ戻る