定期テストで高得点を取るための「逆算」勉強計画の立て方


ライター:桜木 健(現役東大生コーチ / 逆転合格コンサルタント)

偏差値35から2年で東大理科一類に現役合格。自身の経験と脳科学・認知心理学に基づいた「逆転合格メソッド」で、多くの受験生の悩みを解決。頼れる兄貴分として、科学的根拠に基づいた効率的な勉強法やモチベーション維持の秘訣を発信中。


「テスト勉強、何から手をつけていいかわからない…」

「計画を立てても、いつも計画倒れで自己嫌悪…」

中学生の皆さん、こんな悩みを抱えていませんか? 実はそれ、君の努力が足りないからではありません。問題は、勉強の「やり方」にあるのかもしれないのです。

こんにちは!現役東大生の桜木健です。何を隠そう、僕も中学最初の定期テストでは、見事に撃沈しました。勉強のやり方がわからず、ただ闇雲に教科書を眺めるだけ。結果は…まあ、ご想像にお任せします(笑)。

でも、ある「最強の武器」を手に入れたことで、僕の成績は劇的に変わりました。次のテストでは学年トップ争いに食い込み、ついには偏差値35から東大現役合格を掴み取ったんです。

その武器こそが、今回君に伝授する「逆算勉強計画」です。

「なんだ、ただの計画術か…」なんて思ったなら、それは大きな間違いです。これは、君の勉強人生を根底から変える、革命的な思考法なんです。

この記事では、僕が血と汗と涙の末に編み出した「逆算勉強計画」の立て方を、科学的根拠と実体験を交えながら、誰にでも実践できるよう具体的にお話ししていきます。単なるテクニックの紹介ではありません。なぜその方法が効果的なのか、どうすれば君の成績が劇的に上がるのかを、熱く語っていきます。

もし、あなたが今、テスト勉強のやり方に迷い、伸び悩んでいるのなら、この記事が現状を打破する「武器」になるはずです。さあ、一緒に「逆算思考」をマスターし、あなたの可能性を最大限に引き出しましょう!

なぜ「逆算」勉強計画が最強の武器になるのか?

そもそも、なぜ多くの生徒が「計画的な勉強」に失敗するんでしょうか? それは、ほとんどの人が「積み上げ式」で計画を立ててしまうからなんです。

「今日は数学を1時間やって、次に英語を…」というように、目の前のタスクから積み上げていく。これだと、ゴールである「テストで高得点を取ること」までの道のりが不明確で、途中で息切れしてしまいます。

ゴールから考えることの圧倒的有利さ

逆算計画は、その名の通り、ゴールから逆向きに考えます。

「テスト当日」に最高のパフォーマンスを発揮するという明確なゴールを設定し、そこから「じゃあ、前日は何をすべき?」「1週間前は?」「2週間前は?」と、やるべきことを逆算して配置していくんです。

これは、目的地をナビに設定するのと同じです。ゴールが定まっているから、今自分がどこにいて、目的地までどのルートを通れば最短で着くのかが一目瞭然になります。道に迷うことなく、安心して前に進めるんです。

無駄な努力とサヨナラ!「やるべきこと」の最短ルートが見える

逆算計画のもう一つの絶大なメリットは、無駄な努力を徹底的に排除できることです。

限られた時間の中で、成果を最大化するためには、「やらないこと」を決める勇気も必要になります。テスト日から逆算することで、各教科の重要度や自分の苦手分野を考慮した上で、最も点数に直結する勉強にリソースを集中投下できるんです。

実際、Z会の調査でも、定期テストで高得点を取る生徒ほど、テスト準備を早期から計画的に始めているというデータがあります。定期テストで90点以上を取る生徒の約3割は「3週間程度前」から勉強を始めており、早く着手することで「+α」の学習時間を確保し、それが高得点に繋がっていることがわかっています[1]。

彼らは、ただ早く始めているだけじゃありません。ゴールから逆算して、「勝つべくして勝つ」ための戦略を立てているんです。

さあ、どうでしょう? 逆算計画の威力が、少しずつわかってきたんじゃないでしょうか?

偏差値35から東大へ!桜木式「逆算」勉強計画 3つのステップ

よし、ここからが本番です! 僕が血と汗と涙の末に編み出した、桜木式「逆算」勉強計画の真髄を、3つのステップに分けて伝授します。一つずつ、確実にマスターしていきましょう!

ステップ1:【テスト2〜3週間前】「敵」を知る!目標設定とタスク分解フェーズ

何事も最初が肝心です。このフェーズの目的は、「敵(=テスト)の全体像を正確に把握し、戦うための土台を固めること」にあります。

まずはゴールを定めよ!教科ごとの「目標点数」を宣言する

最初にやるべきことは、「目標点数」を力強く宣言することです。

「え、そんなこと?」と思うかもしれませんが、これが驚くほど効果的なんです。目標が具体的であるほど、脳はそれを達成するための方法を勝手に探し始めます。

「数学は苦手だから80点、得意な英語は95点を目指す!」

このように、教科ごとに具体的な点数を設定することで、学習の質と方向性が明確になります。ただ「頑張る」よりも、ずっと力を発揮しやすくなるんです。

テスト範囲の全体像を把握し、「やるべきこと」をすべて洗い出す

次に、敵の正体を丸裸にする作業です。学校から配布される「テスト範囲表」を元に、テスト範囲に含まれる「やるべきこと」を、小さなタスクレベルで全て洗い出します。

教科書の○ページの章末問題、△ページのコラム、ワークのP20〜P35まで、先生が「ここ重要!」と言っていた部分の復習、配布されたプリントNo.5〜No.8…。

この作業は、面倒くさがらずに、とにかく細かく書き出すのがコツです。書き出すことで、「意外とやること多いな…」とか「ここは余裕だな」といった全体像が初めて見えてきます。

「重要度」と「難易度」でタスクを仕分け、優先順位を決める

洗い出したタスクを、今度は仕分けしていきます。ここで使うのが、「重要度」「難易度」という2つの軸です。

重要度は「テストに出やすいか、配点が高いか」、難易度は「自分にとって、得意か苦手か」を基準にします。この2つの軸で、タスクを以下の4つの領域に分類するんです。

重要度:高重要度:低
難易度:高(苦手)①最優先で取り組むべき領域③後回し or 捨てる領域
難易度:低(得意)②得点源!確実に取り切る領域④スキマ時間でOKな領域

①の領域(重要度:高 × 難易度:高)こそ、君が最も時間をかけて攻略すべき最重要ターゲットです。ここを克服できるかどうかが、点数アップの最大の鍵を握ります。

このマトリクスを作ることで、闇雲に手をつけるのではなく、戦略的に学習を進めることができるようになるんです。

ステップ2:【テスト1〜2週間前】「型」を創る!知識定着と弱点克服フェーズ

さあ、戦う準備は整いました。このフェーズでは、「洗い出したタスクをこなし、知識を脳に定着させ、弱点を克服していくこと」に集中します。

科学が証明した最強の記憶術「分散学習」を計画に組み込む

ここで一つ、強力な科学的根拠を紹介しましょう。「分散学習」という考え方です。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」によると、人の脳は、覚えたことを驚くべきスピードで忘れていきます。1時間後には56%を忘れ、1日後には74%を忘れてしまうんです[2]。

でも、希望もあります。脳は、「繰り返し入ってくる情報は、重要だ」と判断し、長期記憶として保存しようとする性質があるんです。

つまり、一度に5時間ガッツリ勉強するよりも、「1日1時間を5日間」に分けて勉強した方が、圧倒的に記憶に定着しやすいということです。

これが「分散学習」の力です。計画を立てる際は、この原則を必ず組み込むこと。例えば、「月曜にやった英単語は、水曜と金曜にもう一度軽く見直す」といった形です。

1周目は「わかる」と「わからない」を仕分ける作業に徹する

計画に従って、いよいよ学習をスタートします。でも、焦ってはいけません。1周目の目的は、完璧に理解することじゃありません。

「わかる問題」と「わからない問題」を仕分けることに徹するんです。

ワークを解いていて、少しでも「あれ?」と迷ったり、解答を見ないとわからなかったりした問題には、遠慮なく「×」をつけましょう。プライドは不要です。自分の現状を正確に把握することが、何よりも重要なんです。

2周目以降で「わからない」を「わかる」に変える

仕分け作業が終わった2周目以降、いよいよ本格的な戦闘開始です。

「×」がついた問題だけを、徹底的に潰していきます。

なぜ間違えたのか? 解説をじっくり読み、理解できるまで考える。それでもわからなければ、教科書や参考書に戻る。それでもダメなら、先生や友達に聞くんです。

「わからない」を放置することが、一番の罪です。一つひとつ、「わかる」に変えていく地道な作業こそが、君を合格へと導く唯一の道なんです。

ステップ3:【テスト3日前〜前日】「技」を磨く!実践力と最終調整フェーズ

いよいよ最終局面です。このフェーズの目的は、「本番で100%の力を出し切るための、実践力を磨き上げること」です。

本番を想定したリハーサルで「時間配分」を体に叩き込む

テスト本番で「時間が足りなくて最後まで解けなかった…」という経験はありませんか? それは、圧倒的に「実戦経験」が不足している証拠です。

テスト3日前くらいになったら、必ず本番と全く同じ時間を計って、過去問や予想問題を解いてみましょう。

大問1つにかけられる時間はどれくらいか? 見直しの時間は確保できそうか?

このリハーサルを通じて、自分なりの時間配分の感覚を体に叩き込むんです。本番の緊張感の中でも、冷静に問題を解き進めるための最高の訓練になります。

究極の理解度チェック「アクティブ・リコール」

自分の理解度を最終チェックするための究極の方法、それが「アクティブ・リコール(能動的想起)」です。

やり方は簡単。「何も見ずに、学んだ内容を自分の言葉で説明してみる」んです。

例えば、歴史の出来事について、あたかも自分が先生になったかのように、弟や妹、あるいは壁に向かって(笑)説明してみるんです。

スラスラ説明できれば、その知識は完全に君のものになっています。もし言葉に詰まるようなら、そこが君の最後の弱点です。すぐに教科書に戻って確認しましょう。

参考書をただ眺める「受動的な学習」よりも、脳に汗をかかせる「能動的な学習」の方が、記憶への定着率が段違いに高いことが、科学的にも証明されているんです[3]。

前日は最終確認とコンディション調整に全力を注ぐ

そしてテスト前日。この日にやるべきことは、ただ一つ。「最終確認」と「コンディション調整」です。

絶対に、新しい問題に手を出してはいけません。不安になってアレもコレもと手を出すと、かえって知識が混乱してしまいます。

これまでやってきたワークやノートを見直し、「これだけやったんだ」という自信を胸に刻むんです。

そして、何よりも大事なのが睡眠です。脳は、眠っている間に記憶を整理し、定着させます。前日の夜更かしは、これまで積み上げてきた努力を水泡に帰す愚かな行為だと知ってください。

温かいお風呂にゆっくり浸かり、万全の体調で決戦の朝を迎えましょう。

【教科別】「逆算」計画をさらに加速させるワンポイントアドバイス

基本的な計画の立て方は同じですが、教科の特性に合わせて少し工夫を加えることで、逆算計画はさらに強力になります。

数学・理科(積み上げ型教科)

これらの教科は、前の単元の理解が次の単元に直結する「積み上げ型」です。だからこそ、基礎の徹底が何よりも重要になります。

逆算計画では、特にステップ2の「弱点克服フェーズ」で、自分がどこでつまずいているのか、その根本原因を突き止めることに時間をかけましょう。「なぜ、この公式を使うのか?」「なぜ、この現象が起きるのか?」と、常に「なぜ?」を問い続けることが、応用力への最短ルートです。

英語・国語(言語系教科)

単語や文法、漢字といった「知識の暗記」と、長文を読み解く「読解力」の両輪が求められる教科です。

知識の暗記には、ステップ2で紹介した「分散学習」が絶大な効果を発揮します。毎日少しずつでもいいから、単語帳や漢字ドリルに触れる時間を計画に組み込みましょう。

長文読解は、ステップ3の「実践力養成フェーズ」で、時間を計って解く練習を繰り返すことが効果的です。

社会(暗記型教科)

多くの人が「ただの暗記教科」と勘違いしていますが、それは大きな間違いです。歴史の「流れ」や、地理の「関連性」といった全体像(ストーリー)を掴むことで、暗記の効率は飛躍的にアップします。

まずは教科書を読んで大きな物語を理解し、その後に細かい人名や年号を覚えていくのが王道です。この教科も「分散学習」との相性が抜群なので、計画的に反復学習を取り入れましょう。

まとめ:すべては、最高の未来を掴むために

どうだったでしょうか?

今回伝授した「逆算」勉強計画は、単なるテスト対策のテクニックじゃありません。

「ゴールを設定し、そこから逆算して今やるべきことを決め、実行する」

この思考法は、高校受験、大学受験、さらには社会に出てからも、君の人生を切り拓くための最強の武器になります。

計画を立てることは、未来の自分への最高の投資です。

もちろん、最初はうまくいかないかもしれません。計画通りに進まなくて、落ち込む日もあるでしょう。

でも、それでいいんです。計画は、修正するためにあります。失敗を恐れず、何度も挑戦し、自分だけの「最強の計画」を創り上げていけばいいんです。

君には、無限の可能性があります。

さあ、ペンを取ってください。そして、未来の自分を描く、最高の計画を立てるんです。

計画を立て、実行し、そして最高の未来をその手で掴み取れ!

君なら、できる。


参考文献

[1] Z会. (2024). 定期テストで90点以上取る中学生の勉強法とは。高得点を取るための4つのポイント. Z会受験情報ナビ. https://www.zkai.co.jp/exam-navi/jr/jr-method/test-90/

[3] PRESIDENT Online. (2024). これが科学的根拠に基づく「最高の勉強法」である…「白紙を前にして繰り返し思い出す」が究極といえる理由. https://president.jp/articles/-/80048